紅き黎明の花嫁

始まりの宴

EDEN have a red-shine spirit

 その国は天国に最も近き太陽の国と謳われた。




 永世中立国、フィリス




 緑豊かな東の最果てに、光豊かな精霊の湖に囲まれた白亜の城は在る。


 まるでこの世の楽園と、人は挙って唄う。神の寵愛を受けた小さな国は実に閉鎖的で、実に平穏だ。
 常に平等で穏やかな国王と、美しく聡明な王妃の間には息子が二人。





 第二王子、光のベルハーツ。
 第一王子、闇のアルザーク。





 民衆が慕う国主の寵愛する王子達は、然しまるで正反対だ。
 絹の如く流れる金糸の髪に凜とした青い瞳のベルハーツは、聡明な母の血と慈悲に満ちた父の血を等しく全て受け継いだ、正に『神の子』。
 精霊を従える様な光を纏う姿は至上の美、誰もへ注がれるその笑みは生きる宝石であると国外へも広く知られている。

 けれど次期国王の継承権を持つ第一王子は、吟遊詩人でさえその名しか唄わない。





 ああ、今日も何処かで彼らは唄う。





 その国が何処からも汚されず在るのは、精霊の加護でも神の寵愛でもない。
 その小さな国が帝国すらも退けたのは、精霊の激怒でも神の慈悲でもない。







 神帝名高き皇帝を、太陽を背にした『い精霊』が退け給うたからだ。
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©Shiki Fujimiya 2009 / JUNKPOT DRIVE Ink.

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